陰茎の病症勃起不全
ドイツ語でインポテンツ (Impotenz インポ)。近年ではED (erectile dysfunction) とも呼ばれる。陰茎 の勃起 は、副交感神経に依存しており、末梢神経障害、心因性、脊髄損傷などで十分な勃起が起きなくなることがある。この勃起機能の低下を勃起不全という。ストレスなどで一時的に陥ることもあり、また糖尿病など特定の病気によってや、年齢を重ねるに従い勃起不全となる率も高くなる(バイアグラを参照)。40歳を過ぎると半数以上が勃起不全になると推定されている。また、まれに性的なことで勃起せず、それ以外の刺激で勃起する者もいるが、原因不明で、まれに見られることがある。
勃起不全に関しては男性の自尊心を傷付けたり劣等感を煽る、あるいは男性としての存在意義的な自信喪失といった問題にも繋がりかねず、古くより精力 剤のような勃起能力を高めると称した薬剤も古今東西に散見され、最近は巷で三便宝なる薬も売られているが、その安全性は確かでない。こういった薬剤の中には有害性を指摘されているものも見られ、先に挙げたバイアグラのような勃起不全治療薬も、ニトログリセリンなど硝酸塩系薬剤との併用で重大な副作用を招くことが知られている。
包茎(真性包茎)
包皮を反転させて亀頭を露出させることが不可能な場合を、包茎(ほうけい)あるいは真性包茎(しんせいほうけい)と呼ぶ。
包皮の一部が亀頭に癒着していることや、亀頭先端を覆う包皮が狭い(包皮輪狭窄が起こっている)ために亀頭を通過させられないことが原因で起こる。日本の成人男性の1ないし2%程度が真性包茎であるとされている。
包皮輪狭窄が起こっている包茎には、平常時には包皮を反転させられる場合があるが、その結果、包皮の狭い部分が陰茎を圧迫し、亀頭が鬱血し、包皮を亀頭に被せられなくなることがある。これを、嵌頓(かんとん)と呼ぶ。このような症状の起こる陰茎のことを、俗に嵌頓包茎(かんとんほうけい)と呼ぶ場合もある。この場合、鬱血している部分が壊死する恐れがあるため、速やかに医療機関で処置を受ける必要がある。
平常時に亀頭が包皮に覆われているものの、勃起時に自然と亀頭が露出する、または手で容易に包皮を剥いたり亀頭に被せたりすることができる場合は、俗に仮性包茎(かせいほうけい)と呼ばれる。これは真性包茎に近いものと誤解されることがあるが、仮性包茎は医療保険の適応に照らし合わせると、本項目の包茎とは区別され、公的医療保険の対象としない状態と規定されており、真性包茎のみが、診療対象としての包茎の正式な意味である。
アジアや欧米諸国を含めた世界の成人男性の多く(80%以上)はこの仮性包茎の状態であるとされており 、程度の差はあれ勃起や性交や射精はできる場合が多い。
包茎手術は、古来、中東の民族を中心に行われ、エジプトやユダヤの社会などで行われていた。紀元前のユダヤ教の戒律の一つになり、その後イスラム教で戒律として行われたきた割礼が、20世紀の末ごろからにわかに脚光を浴びてきたことにより一般化した。ユダヤ系の夫をもつ夫人はなぜか膀胱炎や尿道炎にかかりにくいという噂が最初に米国で広がった。そして今では「中流以上の白人キリスト教徒の男性のほとんどが割礼をしている」が定説になっている。アフリカのエイズ問題に取り組んでいる米国の機関も「包茎手術はHIV感染抑止にも極めて有効」なことを明らかにした。 2006年5月のニューヨーク.タイムズ紙が伝えたものだか、すでにジンバブエの病院では今春から政府の推奨で割礼手術を始めている。 世界保健機関(WHO)も目下データを収集中で、例えば割礼が行われないアフリカ南部諸国でのHIV感染率は14%から26%と異常に高いのに対して、包茎手術をするアフリカ西部諸国では感染率は5%以下と低い。包茎だと内側にHIVが棲み着き、無駄な包皮が性交時に相手を傷つけ、感染を促す可能性が高まるとされる。古代エジプトで始まった割礼は、包茎手術としてイスラム教圏やキリスト教圏全域に拡大していった。